橙が少し曲つて鏡餅(秀子)
炉話やかんころもちを切り分けて(清吾)
ハルカスを仰ぐ麒麟や春近し(すずめ)
冬山のキャンプ手足を折り曲げて(清吾)
取り残す付箋いくつか古暦(清吾)
冷蔵庫のプリンに名前クリスマス(布香)(共選)
雪兎小さき水となりにけり(秀子)
白湯吹いてさまして年を逝かせけり(秀子)
ヨーグルトの発酵進む寒の夜(美雀)
冬銀河葬式の日の走り書き(美雀)」
冬座敷墨の匂ひを閉ぢこめて(啓子)
背中から懐炉ぽろりと曲芸師(美雀)
風花や汀に沿つて曲る道(秀子)
チョコの香のハンドクリーム風花す(布香)
善哉を薄めにつくる一葉忌(美雀)
マスクして曇る眼鏡と頭かな(布香)
まだ紅の似合はぬ舞妓事始(美雀)
時雨きて右に曲がれば京町屋(清吾)
定食の冬至南瓜の甘きかな(清吾)
忘れゆく叔父の姿や冬桜(洋子)
石蕗咲くや曲がりくねつた島の径(啓子)
癒ゆる日の待ち遠しきや去年今年(莊太)
ままごとの欠けたお茶碗初氷(洋子)
曲尺をバシャと畳みて冬に入る(莊太)
寒波来ぬをさなき猫のさくら耳(洋子)
「イマジン」やレノン忌は又開戦日(海峰)
曲家に嘶き聞こゆ冬の月(雄作)
裸木は父子のジャンパー吊るところ(典子)