犬小屋の小屋だけとなる百日紅(美雀)(共選)
土つけしまま空蝉となりにけり(秀子)
夏夕べ土管を出ればママの顔(布香)
早苗饗や乾杯前のストレッチ(清吾)
歯ブラシを更にしてみる熱帯夜(海峰)
音たてて水を吸ふ土百日紅(秀子)(共選)
脳髄のしんとしてゐる暑さかな(清吾)
昼寝覚造花の茎の伸びたるか(すずめ)
貝殻の縁取る海の日の花壇(秀子)
かはほりや土にまみれしユニフォーム(清吾)
ペコちゃんの足元に落ち蝉ひとつ(すずめ)
お互ひにうるさくないか蝉時雨(莊太)
生きてゐるそれが仕事と生身魂(啓子)
好物は羊羹父のをがら焚く(洋子)
炎昼や猫がぽたりと落ちてゐる(秀子)
緑陰のそこは私の席なのに(秀子)
土の色に溶けてまぎれて雨蛙(清吾)
たつぷりの薬味を添へて夏料理(啓子)
夾竹桃母の輸血の承諾書(美雀)
プールより引き抜く男の子ふたり(布香)
納骨の読経遠のく溽暑かな(海峰)
まだ咲かぬ朝顔日記待たせたる(啓子)
掛けてはづしてちょい悪風サングラス(美雀)
青茅の輪三代続く女系なり(美雀)
秋めくや昔の土間に醤油甕(布香)
子どもの頃の土の匂ひや夕立後(雄作)
行く末や風がころがす蝉の殻(典子)