蝉捕りに弟子連れてゆく中学生(海峰)
秋立つや七味の小さき竹の匙(秀子)(共選)
リハビリの人は顏パス秋暑し(布香)
その話ポンポンダリアを活けてから(布香)
間引菜の味噌汁吸へば父のこと(布香)(共選)
古里はぐんぐん退る天の川(秀子)
小さき子の小さき泣き声鳥渡る(秀子)」
旧仮名で書かれた駅舎秋燕(美雀)
千里行く雲をながめて花野かな(美雀)
スニーカー下ろし立てなり秋遍路(洋子)
新豆腐の注文受けし黒電話(美雀)
眉毛にも白髪の見ゆる秋の声(木屋)
爽籟のたつ看護婦の胸の幅(西港)
象鼻杯傾けてゐる無想かな(木屋)
ふと見れば妻の横顔遠花火(西港)
晩夏光さうかあいつの命日か(西港)
八朔や鏡に復習ふ手の仕種(洋子)
鈴虫の里里里里田舎へ帰らうか(雄作)
空き罐に汐たまりゐる震災忌(典子)